訪問看護ステーションにおける1on1ミーティングの意義と実践方法

訪問看護ステーションにおける1on1ミーティングの重要性と実践方法

訪問看護ステーションにとって、効果的なコミュニケーションは業務の効率化や円滑な運営、職場環境の改善、そして有能な人材の確保に不可欠です。
そのなかでも、1on1ミーティングが注目され、管理者と看護師が1対1で直接対話することで、管理者と看護師との密な対話を促し、信頼関係を築く良い機会となると考えられています。そうすることで、情報共有がスムーズに行われ、訪問看護全体の質が向上することは想像しやすいですね。
では、なぜ訪問看護の現場なのでしょうか。・・・訪問看護師は、なんといっても孤独な環境での仕事ですよ。
個人のご家庭を訪れ、関係性をスムーズに取れないご本人さまや、ご家族への悩み、時間内に一人で対応することの限界、経験が浅い方は、相談しづらいなどストレスを抱えることがあります。
また、様々なバックグラウンドや経験を持つ看護師が働いているので、1on1では個々の看護師に焦点を当て、時に個人の生活を踏まえたニーズや課題を知ること、例えば親の介護や子育てのことなどの課題がが大きくなる前に対処することが可能となることもあります。

1on1ミーティングとは

シリコンバレーで広まったこの手法は、日本でも多くの企業が導入を検討しており、訪問看護ステーションでもその必要性が認識されています。1on1は従来のミーティングよりも密度の濃い対話を可能にし、職場の個々のニーズに迅速に対応できるメリットがあります。

1on1では管理者が一つ下の階層とのみ1on1を行い、それを重ね合わせることで全体を網羅します。
これにより、個々のスタッフに対して理解を得られ、具体的な課題や悩みにも早期かつ適切に対処できます。

方法として、週1回から隔週1回の頻度で行われ、中長期的な内容に焦点を当てます。この方法論は業務進捗確認だけでなく、従業員の成長やモチベーション向上にも寄与します。

訪問看護ステーションにおける1on1は、スタッフとのコミュニケーションを深化させるだけでなく、看護師の特有のニーズに応える要素にもなります。そのため、吐き出すことができる安心な環境が必要です。1on1は各看護師が抱える問題やストレスを解消し、仕事においてより良いパフォーマンスを発揮するための手段として機能します。スタッフが自身の感情や悩みを吐き出せることで、目標や夢に向かって積極的に取り組む方針を打ち立てやすくなります。吐き出しのプロセスを通じて、個々のメンタルヘルス向上に寄与します。

訪問看護ステーションの管理者は現場を回しながらスタッフとの1on1に向き合うことが難しい側面もあります。多忙な業務に追われ、スタッフ一人ひとりと十分な時間を割くことが難しいこともあります。しかし、管理者がスタッフに対応する余裕を持つことは非常に重要です。看護師への共感や理解が求められる環境では、管理者がスタッフとしっかり向き合い、彼らの悩みや課題に真摯に耳を傾けることが、チームの結束を高め、パフォーマンス向上につながります。管理者のサポートがスタッフのやりがいやモチベーションを引き出すことは、訪問看護ステーション全体の機能向上に寄与します。

訪問看護ステーションでは、複数の看護師や医療スタッフが連携して患者の訪問看護を行います。効率的で円滑な業務運営を実現するためには、チーム内のメンバー間でのコミュニケーションが不可欠です。情報共有やコミュニケーションを通じて、訪問スケジュールの調整や患者情報の共有、業務の優先順位付けなどが円滑に行われます。これにより、スムーズな業務の進行や誤解の解消が促進され、効率的な訪問看護の提供が可能になります。

訪問看護ステーションにおいて1on1ミーティングの必要性は非常に高いと言えます。看護師が一人で訪問し、悩みや迷い、我慢している中で、これらの感情を安心して吐き出すことが最優先です。1on1ミーティングは各看護師の個別のニーズに応じた支援を提供し、全体のパフォーマンス向上につながります。管理者は多岐にわたる業務に追われながらも、スタッフとの信頼関係を築くために、効果的なコミュニケーションとサポートが求められます。

投稿者プロフィール

緒方智美