人をケアする人にもケアが必要~セルフ・コンパッション~
はじめまして、人のケアをする人のためのケア「care・for・carersの緒方智美です。
保健師・看護師の資格を持ち、看護大学で保健師教育や看護師教育にも携わった経験から、カウンセリングやセミナーを通じて、人をケアする仕事に従事する人にも、心のケアが大切だということを伝えています。
看護師は、自分に厳しい人が少なくありません。
自分の強みを尋ねられても即座には答えられないのですが、ネガティブなことは次から次に言葉にされる方に数多く出会って来ました。
恐らく、失敗が許されない現場で働いているがゆえに、自分のできていないこと、成長すべき課題に向き合いながら成長を続けてきた背景があるからと思います。
また、過去の看護教育では、「献身と犠牲」が極度に求められた時代がありました。これは、「患者さんのためなら自分を犠牲にしてでも・・・」という考え方を教えられたものでした。しかし、看護師ら医療従事者たちもまた、天使ではなく一人の人間です。
「犠牲と献身」だけではさすがに重く感じることもあるし、離職につながってしまう一つの理由と考えます。
そこで、アメリカの教育心理学者、クリスティーン・ネフが提唱したセルフ・コンパッション(自分自身への思いやり)が、看護師たちにとって必要なのではないかと私は感じています。
カウンセリングで、セルフ・コンパッションについて語ると、ほとんどの方が「自分に思いやりを持っても良いのですか?」と驚き、ほっとした表情を見せてくれます。
看護師たちは、患者さんのことを最優先に考える傾向がありますが、その一方で、自分を大切にすることに後ろめたさを感じることもあるのです。
私は、そうした瞬間に、自己を大切にすることは許されると、セルフ・コンパッションについて伝えたいと思います。
セルフ・コンパッションを通じて、自分の感情や苦しみに向き合い、自分を大切にすることが、良い看護ケアを提供する基盤となることを組織の方にも理解してほしいと思います。
あなたの優しさと思いやりが、自己と他者に対する大切な影響をもたらします。
心優しい看護師の皆さんが、自己批判から解放されますように。
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